2021年8月の記事一覧

令和3年春の叙勲

 次の方が受章されました。誠におめでとうございます。
(敬称略)
▼瑞宝中綬章
 近藤慶之(高10回)現住所 千曲市
▼旭日小綬章
 原 利夫(高6回)現住所 千曲市
▼瑞宝双光章
 佐藤則善(高4回)現住所 長野市

人 千曲市内に初の精神科クリニックを 開院された 富永見佳院長

◯ 千曲市での精神科クリニックは初と承りましたが、島田クリニック(島田一秀院長、高31回)) の「神経内科」とは、どう違いますか?
―― 神経内科は、内科の一つの分野で、脳・脊髄・神経・筋肉等の病気を診ます。それに対して、精神科は、精神的な原因による気分や身体的な症状を扱う領域で、心療内科や神経科がこれに入りますね。
◯ 精神科医を目指すことになった動機など、教えて下さい。
―― 駒ヶ根市や静岡県の医療センターで研修医をしていた時に、精神科は、「人の生き方、いかに生きるか」という面で、患者さんをサポートできる分野だと感じたことが大きかったですね。現代のストレス社会の中で、患者さんの生き方をサポートすることを使命にしたいと思っています。
◯ 開院されて2か月、患者さんの中で青少年の占める比率はどのくらいですか?
―― 10代、20代の若い方は、全体の3割くらいを占めています。しかし比較的軽症な患者さんが殆どで安堵していますが、ストレスやSNS等ネット社会の影響を感じています。外来診療のほか、オンライン診療や訪問看護を含めて、お役に立てる医療を目指してまいります。
◯ 最後に、高校時代の思い出や、後輩の生徒達にひと言お願いできますか。
―― 高校では美術班に入っており、油絵を好んで描いており、鳩祭で団扇(うちわ)を作成したことなど、楽しい思い出です。附属中・高校生には、医療は社会貢献の大切な分野ですので、医師を目指す方には大いに歓迎で、激励したい、と申し上げたいです。

 中野市立南宮中学出、高校第55回(平成15年理数科)のご卒業。
平成21年自治医科大学を卒業され、「心の医療センター駒ヶ根」
等で研修医として勤務。今春5月に「ちくまこころのクリニック」
を開院された。

畏友、南澤道人方丈を祝す

元山口内科小児科医院・院長 山口 昭


旧制屋代中第18―5回、松本医専(信州大学医学部の前身)卒業、医学博士。旧更級郡羽尾村のお生れで、旧姓は高村。

 コロナ感染症の感染拡大が懸念され、社会的にも不安で厳しい昨今、この度、私共の同級生(屋代中学18回卒)南澤道人方丈が、永平寺貫首と曹洞宗管長にご就任されますことは、誠に大きな喜びに存じます。

 道人方丈とは、私の生家(高村)が、彼の龍洞院の檀家の一員であったり、旧制屋代中学の同級でもあり、多くのご縁を頂いております。戦後、私の父親の他界にあたっても、道人さんにお世話になったものです。
 彼は、温厚なお人柄ですが、意志のお強い、しっかりとした方、かつ学生時代から大変優秀な賢人です。当時の中学には申合わせがあり、質実剛健がモットーでしたから、通学距離が4キロ未満は徒歩通学で、自転車は不可でした。また真冬でもオーバーコートを着ないということで、お互い通学をしていました。
 私が驚いたことは、太平洋戦争末期(昭和19年頃)に、ご長男である道人さんが、自ら海軍兵学校に進むと言われたことです。私には、その理由がどうしても判らなかったものでした。後で知ったことですが、これは、彼には兄弟が7人おり、ご尊父も病身でおられたことを自覚され、また道人さんご本人も海が好きであったことによるものでした。お父様は、道人さんの海軍兵学校に出発の際にも笑顔で見送られ、その1か月後お亡くなりになられました。お母親も1年後にお亡くなりになられ、当時彼のご心痛を想い、心よりご冥福をお祈り申し上げたものです。

 道人さんは、国内外で卓越された修行の成果を上げておられ、平成20年には、ご本山の副貫首に任命され、お山と兼ねることになりました。また札幌中央寺の住職として、国外ではインドや中国の寺院におけるご貢献、特に日韓佛教文化交流大会を主催され、その総裁を務められました。フランスにおいては、フランス佛南山観照寺を建立され、修行の場として多くのお弟子さんをお持ちです。中央寺での16年に及ぶお努めは、勿論、今回の御栄進に無関係ではなく、ご同慶の至りです。

 道人方丈は、ご高齢であることを少々気にされていらっしゃるようですが、私も同じ93歳であり、道元禅師のお示しでも、「任に当たって、他に譲りがたし」という言葉があります。道人方丈は、札幌中央寺を発たれる最後のご挨拶で「例え一日だけの命であっても、命の限りお山に精進しなければ、と心に誓った。」と仰せられました。どうか、ご健康に留意され、何時までも末永くお元気であられますよう、心よりお祈りしております。