2015年8月の記事一覧

信州大学工学部長に 就任された半田志郎氏

ひと・クローズアップ
 高校第26回のご卒業。信州大学工学部大学院(電子工学)を経て神戸大学博士課程に進まれ、電子情報通信分野で工学博士。長野高専・信州大学助教授から、平成17年教授、同24年から信州大学評議員を務める。
○どんな高校時代でしたか。
 松代中時代に水泳400M個人メドレーで県で優勝し、高校でも水泳班に入りました。しかし水泳は、中学で「燃え尽き」たようです。
物理と数学が大好きで「難問集」を買い求めて解くことが楽しか
ったです。しかし国語や社会科が大の苦手で、当時の高校入試には社会科がなく、4教科だったので屋代高校に合格できたと思っています。
○研究分野について教えて下さい。
 情報通信工学が専門で、キーワードは「移動通信、可視光通信」です。可視光通信とは、光の強弱を信号に置き換えて通信するもので、昨年は小型人工衛星「ぎんれい」においても、その実験を行いました。今後にむけては、IOT(Internet of Things)と言われるように、すべての通信機能をインターネットにつなげる分野に取り組んでいます。
○中・高校生への期待をお願いします。
 附属中には入試がないことが良いことです。受験のためにやる勉強では探究心が育ちませんし、テストの点数によって文理系統を決めたり、大学を決めたりは好ましいことではありません。興味があるならば、大学の偏差値ではなく学部や学科で選ぶべきです。
 人には二つのタイプがあると考えています。緻密に理論を組み立てていくが巨視的な見方が苦手な人と、アイディアや創造性はあるが緻密性に欠ける人です。研究には、どちらのタイプの人も必要です。仕事でもそうですが、一人でやるものでなく、共同でやるものですから、自分の特性を見極めて、個性を生かしていってほしいですね。中高校生とも、やはり自分の好きなことをやって欲しいですね。

瀬在幸安氏、北澤俊美氏  同窓会名誉会員に

瀬在氏は、千曲市の初代名誉市民にも
 去る四月の平成二十七年度総会において、会則第八条に「通常会員の中で、わが国を代表して国際的にも活躍する者、及び本会の発展に著しい功績があった者を名誉会員として推挙することができる」を補記することが承認され、瀬在、北澤の二氏が名誉会員として推挙された。また、瀬在氏は、千曲市議会六月定例会において、初代の千曲市名誉市民の称号も贈られることが全会一致で承認され、その記念授与式も計画されている。なお名誉会長には、第五代の宮﨑和順前会長が就いておられる。
 両氏の功績等は次のとおり。
瀬在幸安氏(高校第1回)
 千曲市内川(旧埴科郡五加村内川)のご出身。専門は心臓外科学及び人工臓器学。心筋梗塞症の手術であるバイパス手術に日本で最初に成功し(昭和四十二年)、補助人工心臓分野でも日本で最初の離脱に成功した(昭和五十七年)。第十代日本大学総長(平成八年?十七年)。順天堂大学の天野篤教授の恩師としても著名。フランス教育功労賞、米国エリザベスタウン大学名誉博士等、海外での叙勲等多数。日大医学部卒、医学博士。フルブライト奨学研究員として、昭和四十年米国オレゴン大学A. Starr 博士のもとで基礎・臨床的研究に従事された。


北澤俊美氏(高校第8回)
 長野市川中島町のご出身。現在参議院議員で、第七・八代防衛大臣を務められる。長野県議会議員(五期)を経て、参議院議員として四期目。参議院国家基本政策政策委員長、外交防衛委員長等歴任し、わが国の国防と平和に貢献された。東日本大震災の救助活動では、自衛隊史上最大の一〇万人動員を指示し、未曾有の災害の指揮を執られたことは、『日本に自衛隊が必要な理由』(角川テーマ)に詳述される。また、この度の母校多目的運動場・同窓会館用地関係でもご尽力された。早大法学部卒。

“女医ナー〟宮澤有紀さん、学生日本一

 去る六月十四日、神奈川県内で行われた「日本学生陸上選手権」の女子100Mで、富山大学医学部5年生の宮澤有紀選手(高校第61回・普通科)が自己ベストの11秒60で優勝した。「医学生のオリンピック候補選手」として注目されており、六月二十五日にはNHKテレビ「スポプラ」で特集が組まれた。六月二十八日の「日本選手権」においても全国2位になったので同窓会から特別表彰を行った。

人 ・ インタビュー
陸上100mで学生日本一日本選手権で2位の富山大医学部5年生宮澤 有紀 さん
 更埴西中出、中学時代は全中100mで3位、200mで4位。高校61回普通科の卒業。高校時代は3年の北信越大会に出場するが、インターハイ出場を逃す。富山大学医学部に進学し、4年生の平成26年、コンテイネンタルカップ(モロッコ)からナショナルチーム入り。去る6月の日本学生選手権で11秒60のタイムで優勝(長野県記録を更新)。身長167cm、体重57kg

○この度は「学生日本一」に続いて、六月の日本選手権では福島千里選手に続いて二位入賞、一躍注目されています。医学生との両立は大変ではありませんか。
 周囲が思うほど大変なことではありません。友人の「就活」を見ているので、私の方が楽をしている気がしています。ただ、ここにきて八時間の食事なし、立ち通しの実習には、ちょっと閉口しました。

○NHKテレビ「スポプラ」の特集を拝見しますと、高校時代はいろいろ悩まれたようですね。
 はい、屋代高校時代は、県男子100Mの記録を持っておられた中津敦喜先生にお世話になりましたが、原因不明の病気から不本意な成績でした。体調を悪くしたり、記録は伸びないし、苦悩の連続でした。しかしそのお蔭で「引き出し」が沢山できて、今の自分があります。順調な高校生活だったら医学部に進学することも、今の走りもなかったと思います。頑張っていると神様はご褒美をくれるものですね。

○その後、記録はいつ頃から伸びましたか。
 大学入学時は、もう陸上はやめようと思っていました。しかし入学した日に陸上部の看板を見ると、やはり・・・。一年生の冬の練習から本格的に取組みましたら、それが効果があったようで、大学二年の春から伸びてきました。
○国際大会等で、外国人のアスリートについて感じることはありますか。
―彼らは、ポジティブで強烈な闘争心をむき出しにします。日本人は予想を立てて、いわば自分の限界をつくるのですが、彼らは失敗しても、委縮せず、常に前向きで、限界を設けないですね。

○今後の抱負について聞かせて下さい。
 当面、日本歴代10位となる11秒45を目標にしています。その次はオリンピック標準記録である11秒33す。自分には改善すべきところが見つかっていて、「伸びしろ」を感じています。脚を上げるというより、地面を蹴る力を強くすることでその反発力を速さに変えていくことです。医学生としては、予防医学や東洋医学を含めた「総合医療」分野に進みたいと考えています。

○最後に中・高校生に、学習についてもアドバイスをお願いします。
 使う参考書などは、極力絞りこんで、徹底的に繰返すことがコツですね。問題を見たら反射的に答えが浮かんでしまうほど、繰返します。またその復習・反復する間隔は、短い方が記憶に残りやすいと言えますね。

春の叙勲受章者

次の方が二〇一五年春、受章の栄に浴されました。誠におめでとうございます。

瑞宝小綬章
 町田巻雄様(高7回)  長野市西尾張部

旭日双光章
 滝沢英雄様(高7回)  千曲市屋代

旭日双光章
 宮崎利幸様(高9回)  長野市篠ノ井塩崎