活躍する同窓生
人 『空腹こそ最強のクスリ』が40万部突破 養老孟司先生と対談の内科医 青木厚院長
更埴西中出、高校第42回のご卒業。福井医科大卒業後、自治医科大大学院で糖尿病を中心とした内分泌代謝、動脈硬化分野の研究で医学博士。現在さいたま市内で「あおき内科さいたま糖尿病クリニック」院長のかたわら、メデイア出演や雑誌等での対談、執筆等多数。ご尊父は、ハンドボール界大御所の青木崇先生。
◯ 『プレジデント4月号』を拝見しました。先生ご自身が「プチ断食」により、舌癌を克服されたと伺いましたが
――― 40歳の時に舌癌を患い、死の恐怖を味わいました。内分泌代謝の臨床医として、これを全治させたことで、栄養代謝による、がん治療・予防をライフワークにしています。動脈硬化性疾患やがん再発予防により、患者さんの「よりよい明日のために」精進しています。
◯ 「空腹こそ最良のクスリ」と言われますが、そのメカニズムを教えて下さい。
―― 空腹は、体重や体脂肪を減少させ、糖尿病、がん、心筋梗塞や狭心症などの予防に効果があります。一日3食摂り、前に食べたものを消化している間に、次の食べ物が体内に入ってきますと、内臓は休むことなく働き続けなくてはなりません。当然内臓は疲弊してしまいます。
◯ 具体的な臓器の働きにあわせて、教えてください。
―― 肝臓や胃腸の働きが鈍くなりますと、栄養分をしっかり吸収できなくなりますし、老廃物もきちんと排出されなくなり、腸内環境も悪化するため、免疫力が低下し、病気にかかりやすくなるという訳です。これは、ノーベル賞の本庶佑博士の提唱した「オプジーボ療法」(元来ヒトの体内に備わっている免疫力を利用してガン細胞を攻撃)からヒントを頂いています。
◯ ところで、先生は、いつ頃から医師を目指されたのですか、高校時代のことなどお聞かせ下さい。
―― 高校時代、医療に関心は持っていましたが、担任の先生から「2浪しても無理」と言われてしまい、東京理科大理学部(物理科)に進学しました。そこで医学部付属病院に勤務する医師の息子さんの家庭教師を依頼され、教えているうちに「これくらいのお子様が医学部を目指すのなら・・」との思いから、卒業後に医学部を受験したわけです。「人間は過程的存在」とアレキシス・カレルが言いましたが、学力もそういう面がありますね。