会長あいさつ

格別なご協力に心より感謝を申し上げます

教育者としての長谷川五作先生(その五)
                会長 赤地憲一(高17回)
 残暑の厳しい折、会員皆様には、まずはご自愛のほど心よりお祈り申し上げます。日頃は母校のために格別なご支援を賜り、厚く御礼を申し上げます。
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 さて、同窓会館建設につきまして、去る5月15日(大安吉日)に起工安全祈願祭をとり行うことができました。同窓生の親睦の場として、また母校に学ぶ生徒達の補習やクラブ活動の場として、また、地域に開かれた諸事業の場として、以て母校の一層の発展に寄与する、この建設理念を礎に第一歩を踏み出すことができましたことは、全ての会員皆様とともに喜びとするところでございます。
 それにいたしましても、会館地権者の神尾房子様には、着工への諸条件が揃うまで、平成16年より12年間にわたり、私たちの我儘をお聞き下さり、大切な土地を保持していただきました。また、㈱春原木材様には、神尾様のご心情と我々の願いをよくご理解いただき、お請けいただけましことに感謝をするとともに、貴社の技術の粋を駆使され、安全に竣工いただきますよう、切にお願いを申し上げます。
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 「教育者としての長谷川五作先生(母校勤務:大正12年・1923年~昭和30
年・1955年)」について書かせて頂いておりますが、去る6月の塩崎支部総会で「長谷川先生は博物に興味を持たせて下さった第一の方である。詰込みの知識ではなく、事実、実験を重んぜられ、大自然を見つめておられた。授業が面白いから欠席する生徒がいない。」と語ってくれたのは、荒井芳久氏(高4回)です。母校が創立された
大正12年(1923年)、東京府立5中から赴任された先生は、既に国内で知られた遺
伝学者であったようです。メンデルの法則が世に出たのは1900年、日本に初めて『遺伝学教科書』が出版されたのは大正4年(1915年)、そしてこの翌年の大正5年(1916年)には既に信濃教育会『尋常小学校理科学習帳』に「メンデルの法則が紹介されていることはまさに驚嘆に値する」と篠遠喜人博士が書かれていますが(註)、これも長谷川先生が編集委員に迎えられたことによるものです。
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 会員皆様の益々のご活躍、ご健勝をお祈りして、また会館建設のご寄附につきまして
は、ひき続きご協力を宜しくお願い申し上げ、ご挨拶といたします。
(註)篠遠喜人「遺伝実験と遺伝教育の先駆長谷川五作先生」『長谷川五作先生著作選集』(昭和43年、屋代高校同窓会編)