活躍する同窓生

小島良太君(高 69 回) スピードスケートで北京オリンピックへ

 小島良太君(高69回)は11月のワールドカップ代表選考会の1000mで初優勝したのに続いて、12月30日(木)、エムウェーブで行われた北京五輪代表選考
会で、国内最高記録(1分8秒35)で1位となり、初のオリンピック出場を決めた。屋代高校の歴史の中で、オリンピック代表選手は初めての快挙である。この
快挙に対して同窓会では、去る1月19 日(水)にコロナ対策を万全にした上で、「小島良太君激励会」を同窓会館で開催し、北京での活躍を祈った。

写真は、伊藤誠悟君〈高71回・早大スケート部主将〉から

 

コンピュータを用いた化学反応のヴァーチャル実験(註1 ) を目指して

第18回屋高フォーラム(生徒会誌々上)

令和3年10月9日(土)に開催予定であった「屋高フォーラム」は、新型肺炎の感染拡大により、学校と協議の結果、昨年に続き生徒会誌『鳩陵』への誌上開催とさせていただきました。

北海道大学化学反応創成研究拠点・拠点長 前田 理 氏
(2021年ノーベル化学賞リスト教授の共同研究者)

 【講演要旨】
 すべての物質は原子を構成単位として成り立っているが、なぜ構成単位が分かっていながらその挙動を自在に明らかにすることができないのか、という小学生時代の疑問が、今の研究の原点となっている。そして今、コンピュータと量子化学計算を用いて、この課題を世界に先駆けて開発することに成功した。化学反応は、分子が安定な構造から別の安定な構造へと変化する過程であるから、反応物の構造から生成物の構造へと分子が変化する過程を調べれば、化学反応における分子の挙動を明らかにできるが、例えば1点当たり1分で計算できたとしても、1030秒(317垓年)要してしまい、これを調べることが不可能になってしまう。

 この課題に、前田教授は、人工力誘起反応(AFIR)法(註2)という計算法を開発し解決した。この未知の化学反応の予測を可能にしたAFIR法により、分子をコンピュータ上で混合し、得られる反応経路ネットワークから生成物と反応機構を予測する、いわばヴァーチャル実験が可能になった。未知の化学反応を予測する夢の実現への大きな一歩であると位置付けられる。現在、ヴァーチャル実験の結果に基づいてリアル実験を実施し、新反応を見つけ出す、計算主導の新反応開発への挑戦を進めている。

 化学反応創成研究メンバーの一人である、リスト教授(ドイツ・マックスプランク石炭化学研究所)は、2021年ノーベル化学賞を受賞したが、同教授は、創設当初からここのメンバーとして参加してくれており、世帯的にも注目された研究分野である。
〈同窓会編集室による脚注〉
(註1)  virtual 「現実そっくりに作られ、現実の世界であるかのような」実験
(註2)  人工力誘起反応 ArtificialForce Induced Reactionの略

まえだ さとし氏。高校第50回(平成10年理数科)のご卒業。平成19年(2007年)3月東北大学大学院理学研究院より博士学位(理学)を取得。日本学術振興会特別研究員PD、京都大学白眉プロジェクト・特定助教、北大大学院理学研究院准教授等を経て、平成29年(2017年)より現職。

令和3年春の叙勲

 次の方が受章されました。誠におめでとうございます。
(敬称略)
▼瑞宝中綬章
 近藤慶之(高10回)現住所 千曲市
▼旭日小綬章
 原 利夫(高6回)現住所 千曲市
▼瑞宝双光章
 佐藤則善(高4回)現住所 長野市

人 千曲市内に初の精神科クリニックを 開院された 富永見佳院長

◯ 千曲市での精神科クリニックは初と承りましたが、島田クリニック(島田一秀院長、高31回)) の「神経内科」とは、どう違いますか?
―― 神経内科は、内科の一つの分野で、脳・脊髄・神経・筋肉等の病気を診ます。それに対して、精神科は、精神的な原因による気分や身体的な症状を扱う領域で、心療内科や神経科がこれに入りますね。
◯ 精神科医を目指すことになった動機など、教えて下さい。
―― 駒ヶ根市や静岡県の医療センターで研修医をしていた時に、精神科は、「人の生き方、いかに生きるか」という面で、患者さんをサポートできる分野だと感じたことが大きかったですね。現代のストレス社会の中で、患者さんの生き方をサポートすることを使命にしたいと思っています。
◯ 開院されて2か月、患者さんの中で青少年の占める比率はどのくらいですか?
―― 10代、20代の若い方は、全体の3割くらいを占めています。しかし比較的軽症な患者さんが殆どで安堵していますが、ストレスやSNS等ネット社会の影響を感じています。外来診療のほか、オンライン診療や訪問看護を含めて、お役に立てる医療を目指してまいります。
◯ 最後に、高校時代の思い出や、後輩の生徒達にひと言お願いできますか。
―― 高校では美術班に入っており、油絵を好んで描いており、鳩祭で団扇(うちわ)を作成したことなど、楽しい思い出です。附属中・高校生には、医療は社会貢献の大切な分野ですので、医師を目指す方には大いに歓迎で、激励したい、と申し上げたいです。

 中野市立南宮中学出、高校第55回(平成15年理数科)のご卒業。
平成21年自治医科大学を卒業され、「心の医療センター駒ヶ根」
等で研修医として勤務。今春5月に「ちくまこころのクリニック」
を開院された。